緩和ケア病棟で、アロマトリートメントを行ったときのことです。
その患者さまは、「背中や肩がこるのよ」
ということで、背中のアロマトリートメントを行いました。
病気のせいもあって、骨がゴツゴツ当たるほど瘦せておられる。
アロマトリートメントは強く揉むものではなく、やさしいタッチで関わっていきます。
ふんわりと触れていても、骨ばった背中に私の手はうまく密着しない。
この方は、「昔からこる方なの」と多くは語られない。
きっとまじめな方で、医療者に対しても無茶を言わなさそうな穏やかな方。
一週間前にお会いした時より、「管」が増えてるから
病状は進行して、症状が強まってるんだと思う。
背中をゆっくり丁寧に、トリートメント。
トリートメントの途中に
「気持ちがいい。眠くなってくる~」と
うれしそうに言われる。
多くは語られないけれど、背中に触れていると
静かに頑張っておられるのが、ひしひしと伝わってくる。
つらい想いがあっても、あまり表出されないのかな?
とも感じたけれど、頑張ってる思いは私の手に届いてくる。
私のアロマトリートメントが、この方にとって少しでも
気持ちの緩む時間でありますように。
少しでも、何かの力になれますように。
つらい中でも、心地いい時間でありますように。
残された時間の中で、いい時間でありますように。
そんな思いで、アロマトリートメントで関わっています。
そしてアロマトリートメントが終わって、
パッと明るい顔で
「背中が軽くなったゎ」と。
この表情が変わる時も、セラピストとして
嬉しい瞬間です。