ゼラニウムとドーピングについて
先日開かれた日本体育協会加盟団体スポーツドクター代表者協議会で,
ゼラニウムが含まれる飲料についての注意があったようです.
キリンビバレッジの「世界のKitchenから」シリーズの新製品,「晴れ茶」というものですが,
ゼラニウムを使用していることが表記されています.
ゼラニウムにはメチルヘキサンアミンという成分が含まれているとされており,
この物質は興奮作用があるとして世界アンチドーピング機構(WADA)の禁止表に記載されています。
と、話題になっているようです。
これについて、2011のナード・アロマテラピー協会からの見解です。
確認したところ、現在も同じ見解とのことです。
メチルヘキサンアミン(別名 4-メチル-2-ヘキサナミン、ジメチルアミアラン、ゲラナミン)は
世界のドーピング防止規定(The World Anti-Doping Code)で興奮薬として
2011年からスポーツ競技での使用が禁止された。
この物質は鼻炎などの充血を除く薬として使われたことがあるが、
その後、外国では興奮剤としてカフェインなどと組み合わせてサプリメントになっている。
ニュージーランドのパーティー・ピル(飲むとハイな感じになる脱法ドラッグ)の活性成分でもある。
FDA(アメリカ食品医療薬局品局)はメチルヘキサンアミンの使用を承認していないが、
この成分を含むとされるゼラニウムオイルは食品への使用を認めている。
現在出回っているメチルヘキサンアミンは化学合成をしたものであるが、
中国の1996年の研究によれば、ローズゼラニウムPelargonium graveolens
由来のゼラニウムオイルに0.66-1%含まれている。
メチルヘキサンアミンの毒性は茶やコーヒーに含まれるカフェインとほぼ同じである。
メチルヘキサンアミンのマウスに対する半数致死量(LD50)は62㎎/㎏(静脈注射)、
185㎎/㎏(腹腔内注射)であるカフェインの経口による毒性(400-100㎎/㎏)は非常に低い。
メチルヘキサンアミンの経口毒性もかなり低いことが期待されるが、今のところ経口のLD50はわかっていない。
要するにメチルヘキサンアミンはドーピング対象物質なので、スポーツ競技の時は摂取しないように注意すべきであるがその毒性はカフェイン程度であり、アロマテラピーで精油を薄めて外用することに関しては全く問題ないと思ってよい。
なお、経皮吸収のデータはないが、スポーツ選手に競技の前日にゼラニウムオイルを使って施術をするのは控えた方がよさそうである。
というものです。
ナードが行った分析では、メチルヘキサンアミンが検出されていますが
別の団体が行ったものには検出されなかったというデータもあるようです。
ここからは私の意見ですが、ドーピング検査が必要な協議に出場されるアスリートの方は
万が一のリスクをさけるため、競技前には使用されない方が良いのかもしれません。
でも、ゼラニウムは香もよく、スキンケア、ストレス対策、感染症対策、
と日常の中で使いやすい精油です。
精油、アロマテラピーは目的によって精油の使い分け、
活用方法を考える必要があります。
そして何より、安全な精油を選ぶ必要があります。
ゼラニウムという名前だけでは、どのようなゼラニウムかわかりません。
プラナロム社の精油は、ロットごとに成分分析をされ、
分析表が添付されています。
アロマは天然、自然のものだから安全。というわけではありません。
リスクも知って、アロマを楽しんでくださいね。